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唐津焼 王天家窯二代目の日記です。非常に低血圧で朝起きれません。それでもめげずに頑張って作淘しています。とてもきまぐれな性格なので時々しかアップしないかもしれないけど応援よろしくお願いします!


by f92q
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春風にのってきた女の子

 女の子が春風にのってやってきた。

 その頃震災の後で僕は暗い気持ちになっていた。
  しかし 彼女は震災をうけなかったことを感謝しその分
 一生懸命生きようとしていた。
 なんかクヨクヨしていた自分が恥ずかしくなった。

 彼女は器がとても好きで有田と唐津の焼き物を見たいと言っていた。
  しかし 唐津から有田は遠く 唐津の窯元も市内から離れて点在している。
 結局 僕が車をだして窯元を一緒に巡ることになった。
  
 一日目は有田 二日目は唐津
 
 三日目は鎮西の窯元 そして波止岬と呼子を一緒に巡った。

  僕自身も有田窯業大学卒業以来5~6年ぶりに他の窯元を巡ったが
  昔気付かなかったことに気付いたり、自分自身の好みの変化を感じたりした。

  

  波止岬ではサザエのつぼ焼きを食べた。
  新鮮な海のエキスと醤油ベースのダシが
  プリプリとした貝に絡み合いとても美味しかった。
  
 
  思わず「家で食べるのより断然美味しい!」 と叫んでしまった。
  店のおばさんは笑いながらダシは醤油と酒と言っていた。

  
  
  唐津滞在の最終日、彼女は予定が変わり唐津にもう一日いることになった。
  困っているのでうちに泊めた。
  彼女はなんなくうちの家族にとけこみ、普段男に囲まれている母は同じ仲間
  だと思ったのか彼女とよくおしゃべりしていた。
  夕食の時、波止岬で食べたサザエのつぼ焼きの話になり
  母はサザエのつぼ焼きのコツは醤油と酒と言っていた。
  
  僕はそれを黙って聞いていた。


 
  そして別れの日福岡マリンメッセの陶磁器フェスタを一緒に見に行った。
  マリンメッセには所狭しと窯元が並んでいた。この業界は狭いので
  すぐに何人か知り合いにあった。
  唐津焼の細工ものをやっている友人は二階で実演販売をやっていた。
  となりにパイナップルを売っている店があって、そのパイナップルを見て
  粘土で作っていた。


  マリンメッセを後にし
  そのまま彼女を天神のバス亭まで送った。彼女のトランクの車輪はすりへっており
  ほとんどトランクを引きずっている状態だった。このトランク一つでヨーロッパ中を
  歩き回ったと彼女は笑いながら言っていた。
 

  彼女が去った次の日唐津は雨だった。
 
 
  空気がとても生あたたかった。
    
  三月なのに気温がいっこうに上がらず桜の開花は大丈夫か心配していたが
  桜のつぼみはしだいに膨らんできている。

  道端には菜の花が咲き始めている。
  さらに下のほうに目を向けると
  つくしやふきのとうも顔を見せ始めている。

  春がもうそこまでやって来ていると僕は感じた。

 
  
  家の中はとても静かで母は少し寂しそうだった。

  
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by f92q | 2011-03-24 11:49

 
by f92q | 2011-03-15 23:16

器にキス

  展示会終盤ぐらいに一人の品のいいおばさんが会場の来られた。
 そのおばさんはひたすらみんなの器をさわりまくる。
 ただならぬものを感じ話しかけてみる。 

  「うちにある茶碗を見せたい、器とキスすればふち作りのことが
 もっとわかる。」と話しておられた。
 そんな感じでその日は帰られた。

 展示会終わって片付けをしていた時
 電話がかかってきた。「今から会いたい家にある茶碗を見せたい。」 
 という話だった。
 上野から一駅と電話で聞いていたので
 快く承諾した。

 しかし実際詳しく聞いてみると一駅はただの一駅でなかった。
 なんとそこは千葉県だった。

 今更断わるわけにもいかず僕と友人たちは、その場所に向かった。
 行く途中電車の中で友人から小言をいわれた。

 駅に着くとおばさんが迎えに来られ
 そのままマンションに連れて行ってもらった。

 そして、おもてなしを受けた。
 茶碗も出てきた。それはすばらしい志野の茶碗だった。
 
 ふっくらとして温かい

 おばさんは落ち込んだとき、その茶碗をさわり癒された
 と言われた。

 さっそくミネラルウォーターが注がれる。
 無作法な手つきでそれをいただく。

 そして器とキスをする。



 なんてやわらかであたたかいんだろう。



 こんなふうに使う側が癒されるような器をつくりたいと僕は思った。


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by f92q | 2011-03-05 12:50

展示会

 

 展示会終了後、風邪をひいて寝込んでしまった。
東京というなれない土地での仕事が終わり
実家に帰ってきてぼけっとしていたら速攻でやられてしまった。

 しかし日本橋三越という普通ではなかなか入れない場所での
展示会はひじょうにいい経験となった。
 
 有名な玄関口のライオン
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 展示場はこんな感じで
 
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 ここは僕の展示スペース
 
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 糸切り作品は受けはよかった。 今回の展示会用につくった 陶板は売り切れてしまった。  
 


 しかし問題点もでた。
 重厚さをもたせるため少し重くつくった作品もあった。
 重いものは売れ残ってしまった。
 やはり食器は軽いに限るということだ。

  たくさんのお客さんに出会えてよかった。
 根っからの器好きが来られるので、接客する方はとても
 勉強になった。

 
 
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 仕事が終わってここから毎日帰っていました。 レトロ
   
 
 
by f92q | 2011-03-03 21:44