最後に残されたスケッチブック
2011年 02月 06日
とあるブログに紹介されていた映画ハーブ&ドロシーを福岡市内まで見に行った。
KBCシネマは結構マニアックな映画を上映している小さな劇場で
街の中心から少し離れた所にあってバス停から5分くらい歩いた。
中に入るとまずお客さんの違いに気付いた。みんな洋服が艶やか
なのだ、僕が行くのはだいたいショッピングモールの映画館だから余計にそんな
ことを感じたのかもしれない。
しかしこの映画館に来ているお客さんは何らかの品があるように感じた。
早速時間になり映画館に入ろうとする 「あっチケットがない!」
と僕は焦りまくった。そしてすぐさま従業員さんにこのことを言う
すると「レシートがチケットなんですよ。」
なるほどこの映画館は地球に優しい。
早速前の席に人がいないベストな角度の席を考えながら選ぶ。
館内は闇につつまれ映画が始まる。
ストーリーはというと公務員の老夫婦がひたすら無名の頃の現代アートの
作品を買いまくり やがてアパートに入ることができなくなり
美術館にほとんど無償で寄贈する という話です。
本当におもしろかった。
ドキュメントで二人の生活がただ淡々と写されていただけなのに
こうゆう老夫婦が日本にもふえてほしい。そして陶芸の若手の作家の作品
を買ってほしいと思いました。
この映画で学んだことはあまり無理をしないこと 自分のできる範囲で好きなこと
をする。
そういえばうちの祖父も骨董を収集しており(祖父は売買していました)
家の近くに別の小屋を建てそこにコレクションしていました。
その小屋は落石がおこり つぶれてしまいました。
そしてうちの父の家の隣に倉庫が建てられ祖父のコレクションが
収納されていきました。
僕も骨董の入った箱の上でよく遊びました。
祖父はそのコレクションで小さな美術館を作ろうと町の役場に頼みにいきました。
しかし その話は断わられ
残った骨董は 祖父が亡くなったあと
父の兄弟が持っていってしまいました。
ほとんどの骨董は父の手元には残らず
一冊の祖父のスケッチブックだけが残されました。
そこには祖父が建てようとした美術館の設計図と
祖父の絵が描いてあった
その絵は本当にすばらしく手元から離れていった
骨董よりもよかったと思っている。
by f92q
| 2011-02-06 22:44